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専業トレーダー DaTsU

アメリカンギャングスター

これは2008年版ゴッドファーザーか。

当時、あのイタリア系マフィアの流れを組む活躍を描いた
ドンコルレオーネ一家の物語は最高に格好よかった。

とにかくデンゼル・ワシントンが格好よすぎる。


ニューヨークの黒人街ハーレムで全米の麻薬王にのし上がった伝説的な黒人ギャングと、彼を追う刑事との闘いを描く実話が題材のスリリングで重厚な物語。
麻薬王がデンゼル・ワシントン、刑事役がラッセル・クロウ、
監督が巨匠リドリー・スコット。


舞台は1970年のハーレム。地元住民から愛された黒人ギャングのボス、ジョンソンが心臓発作で急死する。約15年間、彼の運転手だったフランク・ルーカス(ワシントン)はボスの志を受け継ぎ暗黒街でのし上がろうとする。

ある日彼は、東南アジアでは高純度の麻薬が安価で簡単に手に入ることから、ベトナム戦争に出征した米兵が麻薬におぼれているとの噂を聞く。彼は東南アジアの麻薬を直接輸入。既存のマフィアのルートを通さず売りさばく。

流通コストの圧縮で低価格を実現した高純度の新製品「ブルー・マジック」は市場を席けん。彼は麻薬王に君臨し、ファミリーとともに帝国を築く。しかしニューヨークのお隣、ニュージャージーの警察署の刑事で麻薬捜査班の責任者リッチー・ロバーツ(クロウ)は「ブルー・マジック」の供給元を捜査する…。

ロバーツは女癖は悪く私生活は乱れきっているが、平然とわいろを要求し、マフィアの麻薬を横取りする腐敗し切ったニューヨーク市警と徹底対決する。一方、ルーカスは高い倫理観と優れたリーダーシップを発揮。高級スーツを着こなし、子分たちに「良き隣人であれ」と説く。規律を乱す者には容赦ない制裁が待っている。この二律背反ぶりが本作の最もユニークなところだ。

しかし本作の結末はやるせなさが募る「セルピコ」とは逆に、痛烈な皮肉に満ちている。「結局、ルーカスの証言で捜査当局側の組織的な汚職が明かされ、150人が逮捕される。おかげでルーカスは懲役15年に減刑されたんだ」とワシントン。そしてロバーツは後年、彼に借りを返す。「事実は小説よりも奇なり」を地で行く展開にうならされる。

驚くのはルーカスとリッチーがいまだ健在ということだ。2人の物語を映画化したハリウッドの懐の深さに感心させられる。


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